#1 SタイプとMタイプ
Sは能動的に行動し、Mは受動的に行動する

人間が他人と関わる時に取るスタンスは大きく二つにわけることができます。それがSとMです。
お察しの通り、サド・マゾのSとMから出てきた言葉です。ただし、SMマトリックスにおいては、ピシピシと鞭打つのがS、痛いのが好きなのがMといった意味ではありません。もっと一般的な広い意味での能動性、受動性を表します。
Sとは能動的に動くこと、はっきりと物事を主張したり、決定したりするコミュニケーションパターンを指します。つまり、コミュニケーションにおいて相手をリードする側にまわるということです。
一方、Mとは受動的なコミュニケーションパターンです。はっきりと物事を主張することを避け、相手の決定に従います。相手にリードしてもらう側にまわります。
SMマトリックス上では横軸の右側がS、左側がMとして表されています。
S……物事を能動的に主張、決定し、その結果に責任を負う、リードする
M……他者の決定に受動的に従う形を好む、リードしてもらいたがる
会話例
「この書類を王に渡してくれ」

将軍
「はい」

騎士
この会話について考えてみましょう。
将軍は自らはっきりと騎士に指示を出しています。これはS的なコミュニケーションです。
それに対して騎士は指示に従いました。受動的に従ったのでこれはM的なコミュニケーションと言えます。
SMマトリックスのコミュニケーションパターンにおいて、S的なコミュニケーションパターンは以下の4つです。
ハード支配型S(将軍)
ソフト支配型S(魔術師)
ソフト服従型S(海賊)
ハード服従型S(乳母)
一方、M的なコミュニケーションパターンは以下の4つです。
ハード服従型M(騎士)
ソフト服従型M(農婦)
ソフト支配型M(踊り子)
ハード支配型M(姫)

よくある具体例
友達何人かがランチをしようと街にいます。
店は見回しただけでもまわりに何軒かあります。
Mタイプの人はこんなとき、
入るお店を決定する発言は避けます。
誰かが、
「このお店にしようよ。」
と提案するまではじっと黙って相手の様子を見ています。
または、
「あそこにパスタの店があるね!」
「あのお店、おいしそう!」
といった具合にお店についてコメントをするけれども、
「あの店がいいの?」
と聞かれたら、
「あなたの好きなお店でいいよ。」
と決定を相手に投げます。
Mタイプの人にとっては自分の決定が
相手の意に沿わないというリスクが怖いからです。
自分の選んだお店に入ることについて相手が乗り気じゃない、とか
仮にそのお店に入ったとして、その店の料理が美味しくなかった、とか
そういう可能性を考えると
なるべく自分が店を決定する側に回るのを避けたくなる。
これがMタイプの人の心理です。
したがって、Mタイプばかりが集まっている集団だと
ランチのときに入るお店を一つ決めるにしても
なかなか決まりません。
みんなが自分が決定する側に回ることを避けるからです。
一方、Sタイプの人はこのようなときに積極的にリーダーシップをとります。
「あのお店にしよう!」
とはっきりと言い切ったり、
「あそこのパスタ屋はおいしそうだね。
でも、あっちのおすし屋さんの海鮮丼ランチも
なかなかコストパフォーマンスがいいのよね。
あれはかなりオススメ。
もし、海産物系がダメな人がいなかったら
あそこの海鮮丼ランチにしない?」
という具合にいくつか選択肢をあげつつ、
上手に物事が決定する方向に会話をリードしたりします。
Sタイプの人が複数いるときには、
それぞれが自分の意見を主張しあって、
「あっちの店にしようよ。」
「いや、こっちの店はおいしいからこっちにしよう。」
などとお互いが意見を譲らない状況も生まれたりします。
Sタイプの人の特徴
- 自分の選択の結果、今の状態になったと思う(非決定論的)
- 責任を引き受けることに対して抵抗が少ない
- 自己効力感が高い
- 自分のやり方次第で物事は変わると思っている
- 自発的に行動する
- 物事を決定する立場に立つことを好む
- 自分の主張をはっきり述べる
- 自分の主張が他者から否定されることを恐れない
- 対人関係においてリードする側に回りたがる
- 物事を決断するときに自分で決めたがる
- 自分の決断に自信がある




Mタイプの人の特徴
- 自分の選択とは関係なく、今の状態になったと思う(決定論的)
- 責任を背負うことをなるべく避けたがる
- 自己効力感が低い
- 自分の力で物事を変えるのは無理だと思っている
- 指示されてから行動する
- 物事を自分が決定する立場に立つことを嫌がる
- 自分の主張をはっきり述べたがらない
- 自分の主張が他者から否定されることを恐れる
- 対人関係においてリードされる側に回りたがる
- 物事を決断するときに他人に意見を求めてその意見に従いたがる
- 自分の決断に自信がない




SタイプとMタイプのシフト
このSタイプ、Mタイプは常に固定しているわけではありません。
自分にとって自信がある分野ではよりS的に、
自分にとって自信がない分野ではよりM的に、
変化していく傾向があります。
ですから、日頃、S的に振舞う人が、
自分が苦手視している異性との付き合いの場面においては
急にM的になったりする、なんてこともあります。
また、周りの環境がS的、M的に振舞うことを要求するような場面の場合、
その影響も強く受けます。
たとえば、新しく習い事をはじめたとします。
そのとき、先生がSタイプだったとしたら、
うまく関係をとるために
日頃、S的に振舞っている人が
自分はM的におとなしくして、
先生の言うことに従うことがあります。
逆に、日頃Mタイプの人も
職場で出世して部下を持ったとします。
部下に決断を任せるわけに行かないポジションになったとき、
意識的にS的に振舞うようになったりします。
やりなれていないポジションにシフトしたときには
そのやり方がぎこちなかったりすることはありますが。

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